会社の経営層やマネージャが正しい判断をするために大切なのは情報です。
経営ダッシュボードはその情報を提供するプラットフォームです。
ダッシュボードは重要な情報を一画面にまとめて表示したものです。
このシリーズでは、経営ダッシュボードを作成するプロジェクトを想定します。
この手順に従えば経営ダッシュボードを作れるように解説していきます。
BIツールの導入に慣れていない方でもできるように、できる限り再現性の高い方法でかいています。
BIツールはPowerBIを使います。
*有名製品であればどれでも大丈夫です。無料という理由でPowerBIとしました。
まず確認するのが
使う人と作る人が同じ部署でしたら、欲しいものを作ればいいです。
ですので問題はないです。
この企画では情報システム部が経営層や各部署のマネージャに経営ダッシュボードを提案すると仮定します。
プロジェクトの目的を明確にします。
などあがると思います。
確かにこの目的は本質をとらえています。
あるべきダッシュボードの姿です。
ですがこの目的はいったん忘れてください。
これは使う人が作る時の目標です。
プロジェクトの目的は現状値と過去データの推移を出す。
という事に集中します。
そのデータを使って、売上をUpしたり経費を削減するのは目標外とします。
現状値と過去データのみに集中する理由は、失敗を防ぐためです。
ここが最初の一番重要な分岐点です。
ここで間違うとどんなに優秀なプロジェクトマネージャでも成功に導くのが困難になります。
失敗しやすいプロジェクトについてはこちらの記事に書いてありますので、興味のある方はご覧ください。
「現状値と過去データの表示だけで大丈夫?」
と心配になる人は多いと思います。
これだけでもすごく大切なデータですし、実作業に移るとたいへんな作業だという事がわかります。
この2つのデータだけでも作れる会社はほぼないというほどたいへんな作業です。
情報システム部がダッシュボードを用意する場合はこの2点に集中します。
論理的に考えられるパターンについては後の章で説明します。
経営ダッシュボードの紹介をすると、各部門からいろいろ自分の要望に沿ったダッシュボードを作りたいという要望が出てきます。
その時はこのよう第二ステップで対応すると説明します。
第一ステップ
情報システム部が一通りの基本情報を見れるようにダッシュボードを用意する
第二ステップ
営業や経理など各部門の人が自分の部署に必要なダッシュボードを用意する
第二ステップを作る時は第一ステップのダッシュボードを元に議論します。
それにより具体的なものをベースに議論をできるので、進み方がスムーズになります。
私の経験では、プロジェクト始動時は全員ツールの検討から入ります。
ツールの選択が終われば、仕事はほぼ終わりだと考えている人も残念ながら多くいます。
ツールの選択はコンサルタントが必要な時には確かに有効です。
BIツール会社が、導入サポートをしてくれることが多いので、それに従って導入するからです。
今回は情報システム部が主体的に導入するという視点で書いています。
そのため情報システム部がコンサルタントという位置づけです。
BIツールは極端な話何でもいいです。
BIツールに関係する作業は1割ぐらいで、残りの9割はデータを用意するまでの作業です。
いいBIツールがでれば乗り換えると考えてもらって大丈夫です。
今までの話を整理します。
次に何のダッシュボードを作るかを検討します
売上が大切だから売上のダッシュボードを作るとか感覚で作成してはいけません。
重要でも重要でなくても会社の情報を一通り出すことを目標にします。
何事も論理的に決めていかないと失敗します。
権威性や各業務の専門知識のない情報システム部門が頼れるのは論理性しかないのです。
私の会社ではBIツール販売会社がデフォルトで売っているレポートパックを何回か買った事があります。
ですが一度も普及したことはありません。
多くのレポートがあり、ほぼすべての情報が出せるものでした。
私の目から見てもこの数と量は、とても社内で作れるレベルではないというものでした。
普及しなかった理由は何でしょうか?
一番の理由は何のデータを出しているかわからない
というものです。
わからないので既にあるレポートを使わずに、新しく作るのです。
自分でレポートセットを作る時は、この点を注意しないといけません。
本題の何のダッシュボードを作成するかです。
長くなってしまったので説明は次の記事で行います。
予告という事で一覧だけ書きます。
作成ダッシュボードの一覧
全部書いてはいないですが、上記の情報の経営ダッシュボードを作ります。
経理の人でしたら、リストを見て理由がわかった人も多いかと思います。
どうしてその経営ダッシュボードを作るかという「論理的な解説」を次の記事で行います。
簡単な論理に基づいてリストアップしているだけです。
そのため法則がわかれば誰にでもリストアップできるようになります。