BIツール導入プロジェクトの初期段階で、難易度と成功するか失敗するか簡単に判断する方法があります。
この記事ではその方法について解説します。
多くの分析系のBIツール導入は失敗します。
「業務システムの導入の失敗はよくあるけど、うちの会社ではそうでもないよ」
という方もいるかもしれません。
分析系のBIツールは使われなくても業務に支障がしません。
ですので、失敗していても誰も気がつかないのです。
この記事はどうやって失敗するかしないかを初期段階で気が付くか。そしてどのように回避するかについて解説します。
私も誰も使って分析系のBIツールの廃止を提案したことがあります。
1千万近く出して作ったたシステムで、管理職の人は使っていると聞いていたらしく、絶句していました。
使われてないシステムには誰も気が付かないのです。
営業/経理/人事部長の依頼の中で、誰の依頼が失敗するか?
データ分析をして、売上を上げたい
給与システムの情報を分析したい
決算情報を分析するためのBIツールを導入したい
三人の部長から依頼がありました。
失敗するのは誰の依頼でしょうか?
答えは営業部長です。
人事部長の依頼は成功します。
経理部長の依頼はBIツールとしては成功しないかもしれませんが、
大きな改善を生むポテンシャルがあります。
何をターゲットにして分析するかが重要
分析系のBIツールを導入する時に、何をターゲットにするかで成否が決まります。
ターゲットはどっしりとして動かなければ、動かないほど成功します。
人事部長編
人事部長の依頼は、ターゲットを「給与システム」のデータとしています。
人事部長と打ち合わせを想像してみましょう。
男女別の給与情報を確認したい
給与システムの性別と税込み給与金額でいいですか?
という風に給与システムを共通認識のベースとして打ち合わせできます。システムをベースに話しているので、話を具体的にできデータを準備するのも簡単です。
経理部長編
経理部長の場合は「決算情報」をターゲットとしています。
決算情報はデータの定義としては固定しています。また経理はシステムからどうにかして、決算情報を作っています。ですので、「決算情報」を共通認識として打ち合わせしていけば、BIツール導入を進めることができます。
データを作っていく過程をヒアリングしないといけないので、難易度は高いです。ですが、決算資料を作る工程の自動化にも踏み込める可能性があるのでやりがいのある仕事です。
このプロジェクトの目標は2つになります。
・決算資料を作るまでの工程をできる限り自動化する
・決算資料のデータを分析する
営業部長編
でば営業部長の場合はどうでしょうか?
「売上をあげたい」というのは営業部長の頭の中です。何のデータを用意すればいいかは、情報システムの人や他の人にはつかむことができません。
あいまいなターゲットを目標にBIツールを導入すると、ほぼ失敗します。
こういったプロジェクトでさらに問題になるのが、営業部長の頭の中を推察して各々が議論し始めることです。
・営業部長の欲しいデータはきっと何々に違いない。というのも・・・
・この前営業部長がxxxと言っていたから、おそらく・・・
と迷走が迷走を生むことになります。売上を上げるための分析方法を考えるのでなく、営業部長の頭の中を分析するプロジェクトに変わってしまいます。
「データ分析をして、売上を上げた」という要望にどう応えるか
この解決方法は、固定したターゲットに切替えた提案する事です。
・受注管理システムのデータ分析をするはどうでしょうか?
・決算で報告している、売上データの分析をするのはどうでしょうか?
といった具合です。
これはBIツールを提供する側だけのメリットでなく、利用者のメリットにもなります。
分析データを提供する上で何のデータを出しているかというのは誰にとっても明確でないといけません。でないと分析できないからです。
例えば営業部長の販売管轄が東アジアだったとします。営業部長の要望に基づいて東アジアのデータしか入れなかった場合、他の人全世界のデータと思って分析したら間違った結果を生みます。
何のデータが入っているかを明確になる形で決めないと、他の人は使えないツールとなってしまいます。
データを分析して売上をあげる方法を考えるのは、営業部長の役割です。
BIツールの導入者は、
・しっかりとしたデータを渡す
・視点を変えてデータを見れるBIツールを提供する
にわりきって作業します。
「売上をあげるアイデアを思い付くBIツールを提供する」というのは、プロジェクトの目的ではないです。
まとめ
要件を確認するときは、何を共通認識のベースとして使うかを注意しましょう。
あいまいなものをベースとするとプロジェクトは迷走します。
定義がはっきりしたものに必ずすべきです。
お勧めするのは
・特定のシステムのデータを分析するBIツールを提供する
・損益計算書の数字といった定義が決まったもの
の2点です。
私も画期的な売上Upの方法を思いつかせてくれる分析系BIツールを導入したいです。
ですがこの2点をするだけでも効果は大きいです。
まずは確実に上記の2点を満たした分析用のBIツールを一緒に導入していきましょう。