経営 ダッシュボードを作成する 企画編

BIツール
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会社の経営層やマネージャが正しい判断をするために大切なのは情報です。

経営ダッシュボードはその情報を提供するプラットフォームです。
ダッシュボードは重要な情報を一画面にまとめて表示したものです。

このシリーズでは、経営ダッシュボードを作成するプロジェクトを想定します。
この手順に従えば経営ダッシュボードを作れるように解説していきます。

BIツールの導入に慣れていない方でもできるように、できる限り再現性の高い方法でかいています。

BIツールはPowerBIを使います。
*有名製品であればどれでも大丈夫です。無料という理由でPowerBIとしました。

企画と準備編

プロジェクトメンバーとプロジェクトのターゲットユーザー

まず確認するのが

  • ダッシュボードを使う人は誰か?
  • ダッシュボードを作る人は誰か?

使う人と作る人が同じ部署でしたら、欲しいものを作ればいいです。
ですので問題はないです。

この企画では情報システム部が経営層や各部署のマネージャに経営ダッシュボードを提案すると仮定します。

  • ダッシュボードを使う人は誰か?
    経営者、マネージャ
  • ダッシュボードを作る人は誰か?
    情報システム部

目的

プロジェクトの目的を明確にします。

  • 売上のダッシュボードを作ることで、売上促進を図る
  • 経費のダッシュボードを使って経費節減する

などあがると思います。

確かにこの目的は本質をとらえています。
あるべきダッシュボードの姿です。

ですがこの目的はいったん忘れてください。
これは使う人が作る
の目標です。

プロジェクトの目的は現状値と過去データの推移を出す。
という事に集中します。

そのデータを使って、売上をUpしたり経費を削減するのは目標外とします。

目標外にする理由

主な理由は2つあります。

1.権威性の不足
営業の人は売上をUpさせることに関して、誰よりも考えていて詳しいです。

情報システム部の提案がいくら的を得ていても、素人の提案とされて受け入れられることは少ないです。

コンサルタントを雇って権威性を利用する以外は、うまくいかないので注意してください。

2.客観性のある数値ではない
株式チャートで考えてみます。
一番重要なのは現在の値です。
次に重要なのは過去の値の推移です。

この2つが一番重要です。

他の数字は株価を予測するために使われます。
ですが、そのような数値は山のようにあり、人によって分析に使う値は違います。

何の数値を追加して何の数値は追加しないという基準を明確にしない限り、情報システム部が作業すると泥沼にはまります。

例えば社長が欲しいといった項目は入れざる得なくなってしまいます。役員は?部長は?と際限なく続きます。

現状値と過去データのみに集中する理由は、失敗を防ぐためです。

ここが最初の一番重要な分岐点です。
ここで間違うとどんなに優秀なプロジェクトマネージャでも成功に導くのが困難になります。

失敗しやすいプロジェクトについてはこちらの記事に書いてありますので、興味のある方はご覧ください。

ダッシュボードの方向性

「現状値と過去データの表示だけで大丈夫?」
と心配になる人は多いと思います。

これだけでもすごく大切なデータですし、実作業に移るとたいへんな作業だという事がわかります。

この2つのデータだけでも作れる会社はほぼないというほどたいへんな作業です。

情報システム部がダッシュボードを用意する場合はこの2点に集中します。

  • 論理的に考えられるパターンのダッシュボードを一通り用意する
  • 正確性とリアルタイム性をあげるのに力をいれる

論理的に考えられるパターンについては後の章で説明します。

経営ダッシュボードの紹介をすると、各部門からいろいろ自分の要望に沿ったダッシュボードを作りたいという要望が出てきます。

その時はこのよう第二ステップで対応すると説明します。

第一ステップ
情報システム部が一通りの基本情報を見れるようにダッシュボードを用意する

第二ステップ
営業や経理など各部門の人が自分の部署に必要なダッシュボードを用意する

第二ステップを作る時は第一ステップのダッシュボードを元に議論します。
それにより具体的なものをベースに議論をできるので、進み方がスムーズになります。

何のBIツールやダッシュボードを使うかの検討

私の経験では、プロジェクト始動時は全員ツールの検討から入ります。
ツールの選択が終われば、仕事はほぼ終わりだと考えている人も残念ながら多くいます。

ツールの選択はコンサルタントが必要な時には確かに有効です。
BIツール会社が、導入サポートをしてくれることが多いので、それに従って導入するからです。

今回は情報システム部が主体的に導入するという視点で書いています。
そのため情報システム部がコンサルタントという位置づけです。

BIツールは極端な話何でもいいです。
BIツールに関係する作業は1割ぐらいで、残りの9割はデータを用意するまでの作業です。

いいBIツールがでれば乗り換えると考えてもらって大丈夫です。

作成するダッシュボードを決めるにあたって注意する事

今までの話を整理します。

  • 情報システムが経営ダッシュボードの提案をする
  • 現在値と過去の推移を出す

次に何のダッシュボードを作るかを検討します
売上が大切だから売上のダッシュボードを作るとか感覚で作成してはいけません。

重要でも重要でなくても会社の情報を一通り出すことを目標にします。

何事も論理的に決めていかないと失敗します。
権威性や各業務の専門知識のない情報システム部門が頼れるのは論理性しかないのです。

私の会社ではBIツール販売会社がデフォルトで売っているレポートパックを何回か買った事があります。

ですが一度も普及したことはありません。

多くのレポートがあり、ほぼすべての情報が出せるものでした。
私の目から見てもこの数と量は、とても社内で作れるレベルではないというものでした。

普及しなかった理由は何でしょうか?
一番の理由は何のデータを出しているかわからない
というものです。

わからないので既にあるレポートを使わずに、新しく作るのです。

自分でレポートセットを作る時は、この点を注意しないといけません。

作成するダッシュボードの種類

本題の何のダッシュボードを作成するかです。
長くなってしまったので説明は次の記事で行います。

予告という事で一覧だけ書きます。

作成ダッシュボードの一覧

  • 総勘定元帳:損益計算書,貸借対照表
  • 債権管理 :売上, 売掛残, 回収
  • 受注情報 :受注, 受注残, 売上
  • 支払管理 :検収, 回掛算, 支払
  • 発注情報 :発注, 発注残, 受入

全部書いてはいないですが、上記の情報の経営ダッシュボードを作ります。
経理の人でしたら、リストを見て理由がわかった人も多いかと思います。

どうしてその経営ダッシュボードを作るかという「論理的な解説」を次の記事で行います。

簡単な論理に基づいてリストアップしているだけです。
そのため法則がわかれば誰にでもリストアップできるようになります。

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